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2018/03/30

2018.3.30 平成29年度(2017年度)活動報告

年度末ですので,部局に提出する教員評価用の活動報告をまとめました。

【研究活動の総括】
〇プロジェクト:科研(基盤B)では,ICNALEの対話モジュール開発を開始し,日本モジュールと母語話者モジュールを完成しました。科研(萌芽)では,校閲データの収集を終え,ICNALE Edited Essaysとして完成・公開しました。統計数理研究所共同研究では,年度末に「共同研究レポートNo. 400」を刊行しました。
〇アウトプット:編著・共著書3,論文9,その他3が出版されました。また,招待講演 9,研究発表 11,招待講話(小中高の教員対象) 16を行いました。
〇展望:新年度は,対話データの海外収集に着手予定です。また,これまでの学習者コーパス研究の成果をまとめた単著研究書の執筆に着手予定です。

【教育活動の総括】
〇学士課程(英語):全学共通教育ベストティーチャーの選考において,前期・後期とも,優良教員のリストに加わりました。授業法の改善については,自身の研究成果をふまえ,新規にfluency training(指定時間内でできるだけ多くの発話を行い,語数を記録していく)を授業に組み込み,予想以上の効果が得られました。これについては,新年度も継続し,効果検証実験を行うなどして学生のL2流暢性向上につなげたいと思います。
〇学士課程(その他):「神戸大学の研究最前線」「データサイエンス入門」「高等外国語教育論」においてオムニバスで講義を担当しました。
〇大学院教育(ゼミ):6名のゼミ生(うち2名は研究生)を指導しました。D1生は無事に基礎論文を提出し,進級考査に合格しました。M2生は修士論文を提出して前期課程を修了し,その後,D入試に合格しました。また,M研究生は1人が前期課程入試に合格し,もう1人は日本企業への就職を果たしました。ゼミ生は,夏に研究室が主宰した学習者コーパス国際シンポジウム(LCSAW)や,年度末の統計数理研究所公開研究会他で口頭発表や論文発表を行い,順調に研究業績を積みました。ただ,ライバル大学の院生諸君と比べると,先行研究の分析の深さ,分析技術の洗練性などの点で,なお改善点も多いように感じます。新年度はこれらの点について指導を強化していきたいと思います。
〇展望:学士課程英語教育については,全学が「必修4単位制」に移行する中で,少ない授業でも一定の成果をあげられるよう,教育効率を高める指導の手立てを考えたいです。

平成29年度(2017年度)教員活動評価報告書

教 育
(全学共通授業科目担当)
年間8コマ担当:(English Communication,English Autonomous)

(大学院授業担当)
年間3コマ担当(※ゼミ除く)(国際文化学研究科):
博士前期課程 外国語教育内容論特殊講義Ⅰ,同演習
博士後期課程 外国語教育内容論特別演習

(修士論文指導)
審査:主査1人,副査1人
指導:主指導1人

(博士論文指導)
審査:主査0人,副査0人
指導:主指導1人

(教育活動・教育支援活動)
(個人)
・英語外部試験のスコア分析を行い,報告書を運営委員会に提出した
・English Autonomousのアンケート結果分析を行い,報告書を運営委員会・外国語第1部会に提出した
・図書館主催ライティングセミナーで講演を行った
・外国語第1部会主催「ピアレビュー」授業者として授業を行い,意見交換会に参加した。
(部門)
・部門業務としてセンターのピアレビューを企画・運営した
・部門業務として部門ブログを作成し,維持管理を行った
・部門業務として外部試験説明会を企画・実施した

(授業ピアレビュー,FD活動等)
・部門業務として平成29年度センターピアレビューを企画・運営した
・センターの外国語教育セミナーに参加した

(その他)
・特記なし

研 究
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2017年度研究アウトプットの概要
編著書 1
共著書 2
論文 9
総説他 3
招待講演 9
研究発表 11
招待講話(小中校教員対象) 16
外部資金 5(筆頭3/ 分担2)
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◎編著書(1件)
(1) Ishikawa, Shin'ichiro【編】石川慎一郎他全24名【著】 『Learner Corpus Studies in Asia and the World Vol.3』Kobe University (全323p)本人担当部:Ch. 1 「The ICNALE Spoken Dialogueの設計―対話におけるL2口頭産出研究のために―」 (pp.9-26)

◎共著書(章分担執筆)(2件)
(1) 今尾康裕/岡田悠佑/小口一郎/早瀬尚子【編】 石川慎一郎他全28名【著】『英語教育徹底リフレッシュ:グローバル化と21世紀型の教育』開拓社(全313p)本人担当部:1部-2「コーパスと英語教育:語彙・語法文法・産出指導へのコーパスの寄与」(pp. 14-25)

(2) 石川有香【編】 石川慎一郎他全13名【著】『ESP語彙研究の地平』金星堂(全300p)本人担当部:「上級英語学術語彙表 “BABILON 2000” の開発―6 つの理念に基づく新しい EGAP 語彙選定の試み―」(pp. 114-133)


◎論文(9件)
(1) Ishikawa Shin'ichiro  "A Corpus-based Study of the Size and the Level of the Vocabulary Used by Japanese Learners of English at Different Proficiency Levels" 『東京外国語大学国際ワークショップ予稿集「外国語教育の変革:国際連携・高大連携・ICT2017」』,31-39 <招待>

(2) Ishikawa Shin'ichiro "A Reconsideration of the Needed Sample Size in Learner Corpus Studies" 『国立国語研究所言語資源活用ワークショップ2017発表論文集』, 153-162

(3) 石川慎一郎「現代日本語における「デ」格の意味役割の再考:コーパス頻度調査に基づく用法記述の精緻化と認知亭意味拡張モデルの検証」『計量国語学』(計量国語学会)31(2),99-115<招待>

(4) Ishikawa Shin'ichiro "Learners' Acquisition and Use of L2 Japanese Vocabulary: Influence of L1 Backgrounds and L2 Proficiency Levels: A Learner Corpus-based Analysis" 『第2言語としての日本語の習得研究』(第二言語習得研究会/凡人社)20, pp. 10ー27<招待>

(5) 石川 慎一郎/岩見 理華「グローバル体験学習と探究学習が高校生の教科学力およびグローバル能力に与える影響」『信学技報』(電子情報通信学会 思考と言語研究会)TL2017-46 13-18

(6) Ishikawa Shin'ichiro "From Principle to Practice: Integration of the Principles of English as a Lingua Franca, Content and Language Integrated Learning, Deep Active Learning, and Cooperative Language Learning in the Design of Communicative English Language Teaching for Japanese College Students" 『大学英語教育学会中部支部紀要』 15, pp. 11-27<招待>

(7) Ishikawa Shin'ichiro "How L2 Learners’ Critical Thinking Ability Influences Their L2 Performance: A Statistical Approach" Advances in Social Science, Education and Humanities Research (Atlantis Press), 145, pp. 70-75<査読>

(8) 石川 慎一郎/石田 麻衣子/杉山 はるか/𠮷田 真由美「グローバルキャリア人の育成をめざす新しい小学校英語教育の創造―神戸大学附属小学校「グローバル英語教育」の理念と実践―」『神戸大学国際コミュニケーションセンター論集』14, 1―13.

(9) 石川慎一郎「L2日本語語彙の習得プロセスについて―LARPコーパスに見る台湾人学習者による日本語作文の縦断分析―」『統計数理研究所共同研究レポート』 400, 1-18.


◎総説・短報(3件)
(1) 石川慎一郎「答えのない時代を生き抜く力をつける:英語指導で培うキーコンピタンシー」『チャートネットワーク』(数研出版), 82,p.4

(2) 石川慎一郎 「海外論文紹介237 CEFRのスケールは学習者のL2産出の区分に有効か」『英語教育』(大修館書店)66(4),73

(3) 石川慎一郎 「海外論文紹介243 NNSは,NS同様,慣用連語をより速く処理できるか」『英語教育』(大修館書店)66(11),95-95



◎学会招待講演・招待発表 (9件)
(1) 2017/6/3/CLIL, AL, and ELF 英語教育を変える3つの視点/大学英語教育学会(JACET)第 33 回(2017 年度)中部支部大会/名城大学名古屋ドーム前キャンパス/

(2) 2017/7/16/Japanese Learners’ L2 English Outputs/国際ワークショップ「外国語教育の変革:国際連携・高大連携・ ICT」2017/東京外国語大学/

(3) 2017/8/4/ICNALE独話・対話モジュールの開発と活用 変数としての発話モード/Learner Corpus Studies in Asia and the World  2017/神戸大学百年会館/

(4) 2017/8/5/ワークショップ:学習者コーパス研究入門:日本語学習者・ 英語学習者のL2産出をどう評価するか/第57回(2017年度)外国語教育メディア学会(LET)全国研究大会/名古屋学院大学/

(5) 2017/8/15/日本語研究の新しい視点: コーパスが明らかにする言語事実/第九届汉日对比语言学研讨会/北京・北方工科大学/

(6) 2017/10/1/A Frontier in Learner Corpus Studies:  For Better Understanding of L2 Learners/英語コーパス学会第27回大会/関西学院大学/

(7) 2017/10/28/L2学習者の「文体」―学習者コーパス分析からの知見―/日本文体論学会第112回大会/近畿大学/

(8) 2017/11/11/教材コーパス・入試コーパス・学習者コーパスに見る日本人学習者の連語使用:インプットとアウトプットの差を探る/外国語教育メディア学会(LET)関西支部基礎理論研究部会主催2017年度公開講演会/関西学院大学梅田キャンパス/

(9) 2018/2/17/言語の可視化をめぐって: こころと言葉の交響/外国語教育メディア学会(LET)中部支部外国語教育基礎研究部会第5回年次例会/愛知学院大学名城公園キャンパス/


◎研究発表(11件)
(1) 2017/7/15/(シンポジウム)学習者コーパスを用いたL2産出の問題点の諸相:英語・ 日本語教育の視点から/石川 慎一郎/鄧 琪/朱 琳/大学英語教育学会(JACET)第177回東アジア英語教育研究会/西南学院大学/

(2) 2017/8/4/ICNALE- Edited Essays:エラーアナリシスを超えて/Learner Corpus Studies in Asia and the World 2017/神戸大学/

(3) 2017/8/25/How L2 Learners’ Critical Thinking Ability Influences Their L2 Performance:  A Statistical Approach
2017 International Conference English Language Teaching (ICONELT)/State Islamic University of Sunan Ampel Surabaya, Indonesia/

(4) 2017/9/5/学習者コーパス研究における標本数の問題/言語資源活用ワークショップ
2017/国立国語研究所/

(5) 2017/9/8/How learners’ L2 English Essays Are Edited/The Globalization and Localization in Computer-Assisted Language Learning (GLoCALL) Conference
2017/Universiti Technologi Brunei/

(6) 2017/10/1/(シンポジウム)話し言葉コーパスの構築と利用/石川 慎一郎/野口 ジュディ/迫田 久美子/長谷部 陽一郎/英語コーパス学会第27回大会/関西学院大学/

(7) 2017/12/8/Evaluation of Learners’ L2 English Essays: Comparison of Three Approaches/International Conference on ESP, New Technologies and Digital Learning/Hong Kong Polytech University/

(8) 2017/12/10/グローバル体験学習と探究学習が高校生の教科学力およびグローバル能力に与える影響/石川 慎一郎/岩見 理華/電子情報通信学会「思考と言語研究会」/愛媛大学校友会館/

(9) 2018/3/8/Quantitative Approach to  Aspects of L2 English Use by Learners:  A Study Based on Learner Corpora/The 2nd NTU-Kobe Joint Workshop on Data Science/Nanyang Technological University, Singapore/

(10) 2018/3/22/A Study on the Relationship between L2 Fluency and L2 Proficiency of  Japanese Learners of English/Focus on Language 2018/University of Education, Freiburg,, Germany/

(11) 2018/3/29/L2日本語語彙の習得プロセスについて―LARP at SCUコーパスに見る台湾の学習者による日本語作文の時系列変化―/統計数理研究所言語系共同研究グループ合同発表会「言語研究と統計2018」/統計数理研究所/


◎招待講話(小中高教員対象)(16件)
(1) 2017/4/27/附小における グローバルキャリア教育の深化 ~対話,納得,自己更新~/神戸大学附属小学校「グローバル科」事後検討会/

(2) 2017/6/30/アクティブラーニングで変わる教科の指導/兵庫県尼崎市立小田北中学校職員研修会/

(3) 2017/8/8/コーパスに基づく語彙指導 ―何をどこまでどう教えるかー/大阪大学「教員のための英語リフレッシュ講座2017」/

(4) 2017/8/22/道徳を通したActive Learning教育 ―考える子ども育てるー/尼崎市立常陽中学校校内研究会/

(5) 2017/9/13/Active Learning授業の評価の視点/尼崎市立武庫東中学校 公開授業・研究会/

(6) 2017/10/5/小中高の連携をふまえた 新しい英語語彙指導/兵庫県立西宮北高等学校平成29年度「小学校英語活動担当教員と高等学校英語科教員との交流研修会」/

(7) 2017/11/14/アクティブラーニング:次の一歩へ/尼崎市立小田北中学校校内教員研修会/

(8) 2017/11/17/神戸大附属中等SGH中間検証 ~長き歩みの途中で~/神戸大学附属中等教育学校校内研究会/

(9) 2017/11/24/向学心発進! 探究学習を核とする新たな学力の育成/鳥取県立米子東高等学校平成29年度「21世紀型能力を育むための講師派遣事業による教員研修会」/

(10) 2017/11/28/Active Learningで 自律的に考える子どもを育てる/尼崎市立園田中学校校内職員研修会/

(11) 2017/12/5/高校教員のための探究指導入門/兵庫県立伊丹高等学校SGH校内研究会

(12) 2018/1/16/武庫東防災教育公開授業講話/尼崎市立武庫東中学校校内研修会

(13) 2018/1/18/小学校英語教科化に向けて:  移行期に求められる取り組み/西宮市立北六甲台小学校校内研修会/

(14) 2018/1/19/中学校英語とDAL:深く学び深く定着させる/尼崎市立園田中学校英語研究授業/

(15) 2018/1/20/新しい道徳と評価/尼崎市立常陽中学校校内研究会/

(16) 2018/2/13/道徳教育2.0 なぜ変えるのか,どう変えるのか/尼崎市立小田北中学校校内研究会/


◎外部資金(3+2件)
代表・個人分
科学研究費(基盤B) アジア圏英語学習者自然対話コーパスICNALE-Dialogue開発と分析(17H02360)(2017~2019年度)

科学研究費(挑戦的萌芽),アジア圏英語学習者の作文・発話の体系的修訂に基づく大規模校閲コーパスの開発と分析」(15K12909) (2015~2017年度)

統計数理研究所共同研究(研究課題番号 29-共研-2023)「コーパスから得られた頻度情報の計量処理に基づく多言語の特性解明」(2017年度)

分担分
科学研究費(基盤A)海外連携による日本語学習者コーパスの構築および言語習得と教育への応用研究(代表:迫田久美子)2016~2019年度

基盤B 望月圭子「国際連携・高大連携による双方向英語・中国語・日本語学習者コーパスの研究」(17H02357)1,729万円(1,330万円)2017~2019年度


研究活動(大学・機構等の委託研究・調査等)
英語外部試験スコア分析
English Autonomous アンケート設計・結果分析


社会貢献
(社会貢献,地域貢献等)
(学校関係)
・神戸大学附属幼稚園・小学校 文科省研究開発プロジェクト共同研究員
・神戸大学附属中等教育学校 SGH研究委員長
・私立西大和学園中学校・高校 SGH外部評価委員
・兵庫県教育委員会インスパイア―事業特別講師(兵庫県立西宮北高校,伊丹高校,津名高校,長田高校他)
・尼崎市教育委員会アクティブラーニング導入支援事業特別講師

(学会関係)
(一社)大学英語教育学会 理事・社員
英語コーパス学会 理事
文体論学会 理事
学術英語学会 アカデミックアドバイザー
日英言語文化学会 評議員


管理運営
(管理・運営業務)
・大学院外国語教育論講座代表
・大学院外国語教育コンテンツ論コース代表
・全学評価・FD委員会委員

(資格の取得状況,有資格者としての貢献等)
該当なし