このブログを検索

2018/03/30

2018.3.30 平成29年度(2017年度)活動報告

年度末ですので,部局に提出する教員評価用の活動報告をまとめました。

【研究活動の総括】
〇プロジェクト:科研(基盤B)では,ICNALEの対話モジュール開発を開始し,日本モジュールと母語話者モジュールを完成しました。科研(萌芽)では,校閲データの収集を終え,ICNALE Edited Essaysとして完成・公開しました。統計数理研究所共同研究では,年度末に「共同研究レポートNo. 400」を刊行しました。
〇アウトプット:編著・共著書3,論文9,その他3が出版されました。また,招待講演 9,研究発表 11,招待講話(小中高の教員対象) 16を行いました。
〇展望:新年度は,対話データの海外収集に着手予定です。また,これまでの学習者コーパス研究の成果をまとめた単著研究書の執筆に着手予定です。

【教育活動の総括】
〇学士課程(英語):全学共通教育ベストティーチャーの選考において,前期・後期とも,優良教員のリストに加わりました。授業法の改善については,自身の研究成果をふまえ,新規にfluency training(指定時間内でできるだけ多くの発話を行い,語数を記録していく)を授業に組み込み,予想以上の効果が得られました。これについては,新年度も継続し,効果検証実験を行うなどして学生のL2流暢性向上につなげたいと思います。
〇学士課程(その他):「神戸大学の研究最前線」「データサイエンス入門」「高等外国語教育論」においてオムニバスで講義を担当しました。
〇大学院教育(ゼミ):6名のゼミ生(うち2名は研究生)を指導しました。D1生は無事に基礎論文を提出し,進級考査に合格しました。M2生は修士論文を提出して前期課程を修了し,その後,D入試に合格しました。また,M研究生は1人が前期課程入試に合格し,もう1人は日本企業への就職を果たしました。ゼミ生は,夏に研究室が主宰した学習者コーパス国際シンポジウム(LCSAW)や,年度末の統計数理研究所公開研究会他で口頭発表や論文発表を行い,順調に研究業績を積みました。ただ,ライバル大学の院生諸君と比べると,先行研究の分析の深さ,分析技術の洗練性などの点で,なお改善点も多いように感じます。新年度はこれらの点について指導を強化していきたいと思います。
〇展望:学士課程英語教育については,全学が「必修4単位制」に移行する中で,少ない授業でも一定の成果をあげられるよう,教育効率を高める指導の手立てを考えたいです。

平成29年度(2017年度)教員活動評価報告書

教 育
(全学共通授業科目担当)
年間8コマ担当:(English Communication,English Autonomous)

(大学院授業担当)
年間3コマ担当(※ゼミ除く)(国際文化学研究科):
博士前期課程 外国語教育内容論特殊講義Ⅰ,同演習
博士後期課程 外国語教育内容論特別演習

(修士論文指導)
審査:主査1人,副査1人
指導:主指導1人

(博士論文指導)
審査:主査0人,副査0人
指導:主指導1人

(教育活動・教育支援活動)
(個人)
・英語外部試験のスコア分析を行い,報告書を運営委員会に提出した
・English Autonomousのアンケート結果分析を行い,報告書を運営委員会・外国語第1部会に提出した
・図書館主催ライティングセミナーで講演を行った
・外国語第1部会主催「ピアレビュー」授業者として授業を行い,意見交換会に参加した。
(部門)
・部門業務としてセンターのピアレビューを企画・運営した
・部門業務として部門ブログを作成し,維持管理を行った
・部門業務として外部試験説明会を企画・実施した

(授業ピアレビュー,FD活動等)
・部門業務として平成29年度センターピアレビューを企画・運営した
・センターの外国語教育セミナーに参加した

(その他)
・特記なし

研 究
=====================
2017年度研究アウトプットの概要
編著書 1
共著書 2
論文 9
総説他 3
招待講演 9
研究発表 11
招待講話(小中校教員対象) 16
外部資金 5(筆頭3/ 分担2)
=====================

◎編著書(1件)
(1) Ishikawa, Shin'ichiro【編】石川慎一郎他全24名【著】 『Learner Corpus Studies in Asia and the World Vol.3』Kobe University (全323p)本人担当部:Ch. 1 「The ICNALE Spoken Dialogueの設計―対話におけるL2口頭産出研究のために―」 (pp.9-26)

◎共著書(章分担執筆)(2件)
(1) 今尾康裕/岡田悠佑/小口一郎/早瀬尚子【編】 石川慎一郎他全28名【著】『英語教育徹底リフレッシュ:グローバル化と21世紀型の教育』開拓社(全313p)本人担当部:1部-2「コーパスと英語教育:語彙・語法文法・産出指導へのコーパスの寄与」(pp. 14-25)

(2) 石川有香【編】 石川慎一郎他全13名【著】『ESP語彙研究の地平』金星堂(全300p)本人担当部:「上級英語学術語彙表 “BABILON 2000” の開発―6 つの理念に基づく新しい EGAP 語彙選定の試み―」(pp. 114-133)


◎論文(9件)
(1) Ishikawa Shin'ichiro  "A Corpus-based Study of the Size and the Level of the Vocabulary Used by Japanese Learners of English at Different Proficiency Levels" 『東京外国語大学国際ワークショップ予稿集「外国語教育の変革:国際連携・高大連携・ICT2017」』,31-39 <招待>

(2) Ishikawa Shin'ichiro "A Reconsideration of the Needed Sample Size in Learner Corpus Studies" 『国立国語研究所言語資源活用ワークショップ2017発表論文集』, 153-162

(3) 石川慎一郎「現代日本語における「デ」格の意味役割の再考:コーパス頻度調査に基づく用法記述の精緻化と認知亭意味拡張モデルの検証」『計量国語学』(計量国語学会)31(2),99-115<招待>

(4) Ishikawa Shin'ichiro "Learners' Acquisition and Use of L2 Japanese Vocabulary: Influence of L1 Backgrounds and L2 Proficiency Levels: A Learner Corpus-based Analysis" 『第2言語としての日本語の習得研究』(第二言語習得研究会/凡人社)20, pp. 10ー27<招待>

(5) 石川 慎一郎/岩見 理華「グローバル体験学習と探究学習が高校生の教科学力およびグローバル能力に与える影響」『信学技報』(電子情報通信学会 思考と言語研究会)TL2017-46 13-18

(6) Ishikawa Shin'ichiro "From Principle to Practice: Integration of the Principles of English as a Lingua Franca, Content and Language Integrated Learning, Deep Active Learning, and Cooperative Language Learning in the Design of Communicative English Language Teaching for Japanese College Students" 『大学英語教育学会中部支部紀要』 15, pp. 11-27<招待>

(7) Ishikawa Shin'ichiro "How L2 Learners’ Critical Thinking Ability Influences Their L2 Performance: A Statistical Approach" Advances in Social Science, Education and Humanities Research (Atlantis Press), 145, pp. 70-75<査読>

(8) 石川 慎一郎/石田 麻衣子/杉山 はるか/𠮷田 真由美「グローバルキャリア人の育成をめざす新しい小学校英語教育の創造―神戸大学附属小学校「グローバル英語教育」の理念と実践―」『神戸大学国際コミュニケーションセンター論集』14, 1―13.

(9) 石川慎一郎「L2日本語語彙の習得プロセスについて―LARPコーパスに見る台湾人学習者による日本語作文の縦断分析―」『統計数理研究所共同研究レポート』 400, 1-18.


◎総説・短報(3件)
(1) 石川慎一郎「答えのない時代を生き抜く力をつける:英語指導で培うキーコンピタンシー」『チャートネットワーク』(数研出版), 82,p.4

(2) 石川慎一郎 「海外論文紹介237 CEFRのスケールは学習者のL2産出の区分に有効か」『英語教育』(大修館書店)66(4),73

(3) 石川慎一郎 「海外論文紹介243 NNSは,NS同様,慣用連語をより速く処理できるか」『英語教育』(大修館書店)66(11),95-95



◎学会招待講演・招待発表 (9件)
(1) 2017/6/3/CLIL, AL, and ELF 英語教育を変える3つの視点/大学英語教育学会(JACET)第 33 回(2017 年度)中部支部大会/名城大学名古屋ドーム前キャンパス/

(2) 2017/7/16/Japanese Learners’ L2 English Outputs/国際ワークショップ「外国語教育の変革:国際連携・高大連携・ ICT」2017/東京外国語大学/

(3) 2017/8/4/ICNALE独話・対話モジュールの開発と活用 変数としての発話モード/Learner Corpus Studies in Asia and the World  2017/神戸大学百年会館/

(4) 2017/8/5/ワークショップ:学習者コーパス研究入門:日本語学習者・ 英語学習者のL2産出をどう評価するか/第57回(2017年度)外国語教育メディア学会(LET)全国研究大会/名古屋学院大学/

(5) 2017/8/15/日本語研究の新しい視点: コーパスが明らかにする言語事実/第九届汉日对比语言学研讨会/北京・北方工科大学/

(6) 2017/10/1/A Frontier in Learner Corpus Studies:  For Better Understanding of L2 Learners/英語コーパス学会第27回大会/関西学院大学/

(7) 2017/10/28/L2学習者の「文体」―学習者コーパス分析からの知見―/日本文体論学会第112回大会/近畿大学/

(8) 2017/11/11/教材コーパス・入試コーパス・学習者コーパスに見る日本人学習者の連語使用:インプットとアウトプットの差を探る/外国語教育メディア学会(LET)関西支部基礎理論研究部会主催2017年度公開講演会/関西学院大学梅田キャンパス/

(9) 2018/2/17/言語の可視化をめぐって: こころと言葉の交響/外国語教育メディア学会(LET)中部支部外国語教育基礎研究部会第5回年次例会/愛知学院大学名城公園キャンパス/


◎研究発表(11件)
(1) 2017/7/15/(シンポジウム)学習者コーパスを用いたL2産出の問題点の諸相:英語・ 日本語教育の視点から/石川 慎一郎/鄧 琪/朱 琳/大学英語教育学会(JACET)第177回東アジア英語教育研究会/西南学院大学/

(2) 2017/8/4/ICNALE- Edited Essays:エラーアナリシスを超えて/Learner Corpus Studies in Asia and the World 2017/神戸大学/

(3) 2017/8/25/How L2 Learners’ Critical Thinking Ability Influences Their L2 Performance:  A Statistical Approach
2017 International Conference English Language Teaching (ICONELT)/State Islamic University of Sunan Ampel Surabaya, Indonesia/

(4) 2017/9/5/学習者コーパス研究における標本数の問題/言語資源活用ワークショップ
2017/国立国語研究所/

(5) 2017/9/8/How learners’ L2 English Essays Are Edited/The Globalization and Localization in Computer-Assisted Language Learning (GLoCALL) Conference
2017/Universiti Technologi Brunei/

(6) 2017/10/1/(シンポジウム)話し言葉コーパスの構築と利用/石川 慎一郎/野口 ジュディ/迫田 久美子/長谷部 陽一郎/英語コーパス学会第27回大会/関西学院大学/

(7) 2017/12/8/Evaluation of Learners’ L2 English Essays: Comparison of Three Approaches/International Conference on ESP, New Technologies and Digital Learning/Hong Kong Polytech University/

(8) 2017/12/10/グローバル体験学習と探究学習が高校生の教科学力およびグローバル能力に与える影響/石川 慎一郎/岩見 理華/電子情報通信学会「思考と言語研究会」/愛媛大学校友会館/

(9) 2018/3/8/Quantitative Approach to  Aspects of L2 English Use by Learners:  A Study Based on Learner Corpora/The 2nd NTU-Kobe Joint Workshop on Data Science/Nanyang Technological University, Singapore/

(10) 2018/3/22/A Study on the Relationship between L2 Fluency and L2 Proficiency of  Japanese Learners of English/Focus on Language 2018/University of Education, Freiburg,, Germany/

(11) 2018/3/29/L2日本語語彙の習得プロセスについて―LARP at SCUコーパスに見る台湾の学習者による日本語作文の時系列変化―/統計数理研究所言語系共同研究グループ合同発表会「言語研究と統計2018」/統計数理研究所/


◎招待講話(小中高教員対象)(16件)
(1) 2017/4/27/附小における グローバルキャリア教育の深化 ~対話,納得,自己更新~/神戸大学附属小学校「グローバル科」事後検討会/

(2) 2017/6/30/アクティブラーニングで変わる教科の指導/兵庫県尼崎市立小田北中学校職員研修会/

(3) 2017/8/8/コーパスに基づく語彙指導 ―何をどこまでどう教えるかー/大阪大学「教員のための英語リフレッシュ講座2017」/

(4) 2017/8/22/道徳を通したActive Learning教育 ―考える子ども育てるー/尼崎市立常陽中学校校内研究会/

(5) 2017/9/13/Active Learning授業の評価の視点/尼崎市立武庫東中学校 公開授業・研究会/

(6) 2017/10/5/小中高の連携をふまえた 新しい英語語彙指導/兵庫県立西宮北高等学校平成29年度「小学校英語活動担当教員と高等学校英語科教員との交流研修会」/

(7) 2017/11/14/アクティブラーニング:次の一歩へ/尼崎市立小田北中学校校内教員研修会/

(8) 2017/11/17/神戸大附属中等SGH中間検証 ~長き歩みの途中で~/神戸大学附属中等教育学校校内研究会/

(9) 2017/11/24/向学心発進! 探究学習を核とする新たな学力の育成/鳥取県立米子東高等学校平成29年度「21世紀型能力を育むための講師派遣事業による教員研修会」/

(10) 2017/11/28/Active Learningで 自律的に考える子どもを育てる/尼崎市立園田中学校校内職員研修会/

(11) 2017/12/5/高校教員のための探究指導入門/兵庫県立伊丹高等学校SGH校内研究会

(12) 2018/1/16/武庫東防災教育公開授業講話/尼崎市立武庫東中学校校内研修会

(13) 2018/1/18/小学校英語教科化に向けて:  移行期に求められる取り組み/西宮市立北六甲台小学校校内研修会/

(14) 2018/1/19/中学校英語とDAL:深く学び深く定着させる/尼崎市立園田中学校英語研究授業/

(15) 2018/1/20/新しい道徳と評価/尼崎市立常陽中学校校内研究会/

(16) 2018/2/13/道徳教育2.0 なぜ変えるのか,どう変えるのか/尼崎市立小田北中学校校内研究会/


◎外部資金(3+2件)
代表・個人分
科学研究費(基盤B) アジア圏英語学習者自然対話コーパスICNALE-Dialogue開発と分析(17H02360)(2017~2019年度)

科学研究費(挑戦的萌芽),アジア圏英語学習者の作文・発話の体系的修訂に基づく大規模校閲コーパスの開発と分析」(15K12909) (2015~2017年度)

統計数理研究所共同研究(研究課題番号 29-共研-2023)「コーパスから得られた頻度情報の計量処理に基づく多言語の特性解明」(2017年度)

分担分
科学研究費(基盤A)海外連携による日本語学習者コーパスの構築および言語習得と教育への応用研究(代表:迫田久美子)2016~2019年度

基盤B 望月圭子「国際連携・高大連携による双方向英語・中国語・日本語学習者コーパスの研究」(17H02357)1,729万円(1,330万円)2017~2019年度


研究活動(大学・機構等の委託研究・調査等)
英語外部試験スコア分析
English Autonomous アンケート設計・結果分析


社会貢献
(社会貢献,地域貢献等)
(学校関係)
・神戸大学附属幼稚園・小学校 文科省研究開発プロジェクト共同研究員
・神戸大学附属中等教育学校 SGH研究委員長
・私立西大和学園中学校・高校 SGH外部評価委員
・兵庫県教育委員会インスパイア―事業特別講師(兵庫県立西宮北高校,伊丹高校,津名高校,長田高校他)
・尼崎市教育委員会アクティブラーニング導入支援事業特別講師

(学会関係)
(一社)大学英語教育学会 理事・社員
英語コーパス学会 理事
文体論学会 理事
学術英語学会 アカデミックアドバイザー
日英言語文化学会 評議員


管理運営
(管理・運営業務)
・大学院外国語教育論講座代表
・大学院外国語教育コンテンツ論コース代表
・全学評価・FD委員会委員

(資格の取得状況,有資格者としての貢献等)
該当なし

2018/03/29

2018.3.29 統計数理研究所言語系共同研究グループ合同研究発表会「言語研究と統計2018」

表記にゼミ生と参加しました。

発表題目一覧

石川 慎一郎 「L2日本語語彙の習得プロセスについて―LARP at SCUコーパスを用いた台湾人学習者による日本語語彙運用の時系列分析―」
鄧 琪 「現代日本語における4種の外来語特殊表記:日本語母語話者・中国語母語話者の意識調査及び現代小説コーパスの調査をふまえて」
張 晶鑫 「日本語オノマトペの音韻的特性の解明:一般語彙との比較から」
王 思閎 「現代日本語小説におけるオノマトペ」
隋 詩霖 「日本語における「体言止め」の指導教材の開発:広告教材の可能性」
中西 淳 「中・上級英語学習者による前置詞誤用パタン」

今回はポスターセッションを行い,多くの参加者から貴重な意見をいただきました。



2018/03/22

2018.3.22 Focus on Language 2018で研究発表@ドイツ フライブルグ教育大学

表記学会(サイト)で研究発表を行いました。

Shin Ishikawa (Kobe Univ. Japan)
A Study on the Relationship between L2 Fluency and L2 Proficiency of Japanese Learners of English

これは,現在構築中のICNALE Spoken Dialogueのデータを使った初めての発表となります。発表準備として,収集済みのデータをすべて発話者ターンごとに切り分け,調査者の発話を除き,学習者だけの発話量だけを検索できるようデータの整形を行いました。


上記ではコード001のインタビューにおける発話の例です。Turnを[T]とすれば教師=調査者の,[S]とすれば学生≒被調査者の発話だけを取り出して分析にかけることができます。

今回の発表では,構築済みのICNALE Spoken Monologueと構築中のICNALE Soken Dialogueの連動分析を行い,日本人学習者をターゲットとして,被験者の受容的英語力(TOEIC等スコア)と流暢性(発話量)の相関が,独話タスクと対話タスクでどう変化するのかを調査しました。


散布図を見ると明らかなように,対話では,独話以上に相関性が棄損され,英語力とは別の何かが発話量を規定している様子がうかがえます。

**********

今回の学会は,応用言語学分野の第一線の研究者が多く参加していました。中でも印象に残ったのは,拙著『ベーシック応用言語学』の中でも紹介した,L2習得におけるパーソナリティ論で有名なJean=Marc Dewaele教授と,CLILの実践(とくに,トピック選定→メディア選択→タスク設計→実践のCLILピラミッド)で有名なOliver Meyer教授です。こうした先生がたの講演を直接聞けるのも海外学会に参加する大きな魅力です。

笑わせて感心させて・・・圧巻の話術で聴衆を魅了したDewaele教授。

CLILの理論的背景をわかりやすく説明されたMeyer教授。

拙著『ベーシック応用言語学』(ひつじ書房,2017)より2先生にかかる記述の一部です。

拙著5.4章より
■性格とL2習得
では,こうしたテストで診断される個人の性格特性のうち,L2習得に有利なものはどれなのでしょうか。以下,Dewaele(2013)のレビューに基づき,Big Five特性とL2習得の関係について見ていきましょう・・・

拙著8.5.2節より
Meyer(2010)は,ヨーロッパのCLILの授業設計に関して,授業の中核要素として,インプット,タスク,アウトプットの3点を示し,加えて,それらをつなぐ第4の要素として,学習者の間接的支援を行う足場掛け(scaffolding)(8.5.1節)を挙げました。これはコンテントベーストインストラクションの授業にもそのまま当てはまります・・・








2018/03/21

2018.3.21 研究メモ TOEFL PBTとTOEICのスコア変換に関するメモ

日本の大学ではTOEICが広く受験されていますが,いっぽうでTOEFLの旧バージョン(コンピュータを使わず紙と鉛筆で行うpaper based test:PBT)を利用する大学も存在します。

神戸大学でも,新入生に外部テストを受験させていますが,その際,学部により,TOEIC受験を指定しているところとTOEFLを指定しているところがあります。個人的には,各学部がそれぞれの理念をふまえ,受験するテストを指定することは基本的に望ましいことだと思います。

ただ,学生全体の英語力を分析しないといけない立場で言うと,学部により,年度により,受けるテストが変わるのはなかなか悩ましいところです。異なるテストは異なる構成概念に基づいて作成されているものなので,異なるテストのスコアを換算するのは,本来,適切なことではありませんが,ある種の大まかな目安として,スコアを換算したいという実際的なニーズがあるのも事実です。

TOEFL(PBT)とTOEICの換算については,かつて,2つのテストの作成元であるETSが以下の公式を紹介していました。

TOEIC= (TOEFL-296) / 0.348

この公式は「あくまでも参考情報」にすぎないという注記を付けた上でですが,大学の学生用パンフなどでも言及されていますし,また,大学院受験においてこの公式で変換しているところも存在する(していた?)ようです。

ということで,私も過去のデータ分析ではこの公式を使っていたのですが,直観的に,この公式だと,TOEFL受験者に非常に不利になるという印象がありました。たとえば,明らかに英語力が高いはずの医学生のTOEFLスコアを上の公式でTOEICスコアに換算すると,TOEIC受験学部より下になってしまったりするのです。

そこで,新たな実験を行うこととしました。実験に使ったのは,X学部の2013年新入生と2014年新入生のデータです。この学部は2013年までがTOEFL受験で,2014年以降がTOEIC受験に切り替わりました。2013年と2014年の同じ学部の新入生の英語力を同等と考えれば,これは回帰分析には非常に使いやすいデータです(実際,この2年間で新入生の学力に大きな差があったというデータは出ていません)。

それぞれの学生のスコア(約150人分)を降順に並べ替え,回帰分析を実施したところ,
以下の新しい変換式が得られました。

TOEIC = TOEFL*4.167 - 1497

モデルは有意(p< .0001),修正済み r^2= .95と非常に高いものになっています。

たとえばPBTの500点はTOEICの590点,PBTの550点はTOEICの800点という感じです。

現場の指導者としての直観とかなり符合するのですが,この公式だと,TOEFLの高得点・低得点ゾーンに歪みが生じます。たとえば,TOEFLの600点がTOEICの1000点(990点オーバー!)になってしまいます。このあたりはカービングでキャップをつけるような補正が必要になるでしょう。


※上は線形回帰(やはり左端と右端で回帰式からのずれが大きくなることがわかります)。下は対数(log)近似でいくぶんフィットネスを高めた場合。

ETSの公式と違って,逆にTOEFL受験者をoverestimateしている危険もありますが,「あくまでも参考情報」にすぎないという注記を付けた上で,1つの資料としてご紹介しておきます。








2018/03/08

2018.3.8 シンガポール南洋工科大学・神戸大学データサイエンス合同シンポジウム

NTU Kobe U, Joint Workshop 2018で研究発表を行いました。


日時:2018年3月8日
会場:Lecture Room 5, Nanyang Executive Centre, Nanyang Technological University, Singapore
主催:神戸大学 数理・データサイエンスセンター/NTU,Data Science and AI Research Center(DSAIR) ほか





データサイエンスは,今後,文理問わず,必須のリテラシになってくると思われます。神戸大学がこの分野で存在感を発揮できるよう,新設のデータ数理サイエンスセンターで頑張りたい思います。

大学公式サイト上の報告








2018/03/03

2018.3.3 こどもの日本語研究会/JACET語彙・辞書研究会参加

東京で開催された2つの研究会に出席しました。

(午前)
子どもの日本語教育研究会第3回大会@聖心女子大学

下記の発表がとくに印象的でした。

韓国の中学校における日本語教育の課題―日本語教科書の「書くこと」を中心に― 鄭潤静(早稲田大学大学院 院生)
★内容重視の作文を引き出すタスクが少ないとの指摘に共感。

JSL高校生の授業理解を助ける補助教材開発の試み 坂井香澄(筑波大学大学院 院生)
★日本語を充分に理解できない小中学生への支援はある程度対応できているが高校はまだまだ不十分。まずは教材の「やさしい日本語化」で対応を試みる

高校におけるJSLカリキュラムの試み―数学A・保健・英語と連動させて― 小川郁子・坂本昌代(都立高校講師)
★同上。日本語教師資格を持つ高校教諭が,それぞれの科目指導に加え,他教科のJSL指導の支援を行う実践の報告。

★JSLの必要性が高まっていることを知ってはいたものの,関係者が一堂に集まった会に参加し,問題の切迫性を改めて認識しました。


(午後)
大学英語教育学会(JACET)英語辞書・語彙研究会合同発表会@早稲田大学

聴講した発表

小藤晃裕(東京外国語大学大学院)「日本人英語学習者のスピーキングにおける定型言語表現の発達」

熊谷允岐(立教大学院生)「TEAP用英単語集と大学入試用英単語集の比較分析ー選定語彙と語義難易度に焦点を当ててー

畔元里沙子(九州大学学生)「基本動詞のコロケーションパターン:英語教材コーパスとBNCの比較から

★いずれも興味深く拝聴しました。