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2018/12/25

2018.12.25 宇佐美科研研究会

2018/12/25
13:00-17:00@国立国語研究所(立川)

国立国語研究所の宇佐美教授が進めておられる「語用論コーパス科研」会議に出席しました。

会議では,私が開発しているBTSJ Sampler for Gender Comparisons(性差比較のために元データからリサンプリングして作ったデータセット)を紹介しました。



Excelのフィルタ機能で,探したい表現を入れると,同数にそろえられた男女の発話データの中から,男女ごとの出現件数がすぐに取り出せるようになっています。社会言語学的な分析に使用できればと思っています。

2018/12/23

2018.12.23 大学英語教育学会理事会

表記の理事会に参加しました。
場所:旺文社ビル(神楽坂)

会議では,国際大会の内容や学会の財政状況について議論を行いました。どの学会も同じだと思いますが,この数年,教員の忙しさがあまりにもひどくなっており,学会運営に必要となる事務作業を外注せざるを得なくなってます。

しかし,作業の外注化のコストは学会の財務を大きく傷つけ,学会本来の業務に影響がでてくる危険もあります。

このあたり,単独学会ではできる対応に限界があり,近い将来,「国立大学機構方式」や「持ち株会社方式」での学会の合従連衡が必要になるかもしれません。

2018/12/22

2018.12.22 第四回 学習者コーパス・ワークショップ & シンポジウム 講演

第四回 学習者コーパス・ワークショップ & シンポジウム ―第二言語習得における語彙の役割―
2018/12/22 東京工業大学田町キャンパス

国立国語研究所/広島大の迫田久美子先生の科研ワークショップで,東大松下先生,実践女子大山内先生とともに,シンポジストを務めました。


発表者:石川慎一郎(神戸大)
演題: L2語彙力の発達をどう見取るか? どう数えるか?

石川の講演では,学習者コーパス研究の精度を向上させるには,1つのコーパスで得た知見の再現性を別のコーパスで検証するmixed corpora replication(MCR)( Ishikawa, in press)が必要であるということを主張し,過去に行った学習者コーパスを用いた2つの語彙習得研究を紹介しました。


縦断コーパスではNが1~数名ということが多いですが,このとき,習熟度(学習期間)の差と個体差のどちらが語彙使用を決定しているかは悩ましい問題です。



C-JASを使った検証では,学習期間よりも,個体差を基準にデータがまとまることがわかりました。こうしたデータを組み合わせて,どう知見を一般化していくか,さらに考えてみたいと思います。

2018/12/21

2018.12.21 東京外国語大学国際日本語学研究院講演会

大学院国際日本学研究院 日本語教育専攻学生のための研究セミナー
日本語教育学研究と学習者言語研究のクロスポイント


連続講演会の1回目のゲストとして呼んでいただきました。当日は70名ほどの大学院生や先生方を前に,コーパスが日本語教育にどのような貢献ができるか具体的にお話させていただきました。

たとえば,書籍・書物・図書という3つの語の意味の違いは?となると母語話者でもはっきりしませんが,コーパスを使えば,3つの語がはっきりと異なる共起パタンを持つことがわかります。


共起語を見ていると,どうも,書籍は出版社が製造・印刷して書店で販売する商品としての本(多くは新しい)を,書物は読んだり書いたりする一般的な本(古くてもよい)を,図書は調査用の資料を主として含意するようです。(詳細は,石川2012「ベーシックコーパス言語学」ひつじ書房,を参照)

こうした解釈を確認するために,googleの画像検索を行うと,実際,書物に関連する画像にのみ古書が大量に出て来ます。


このように,コーパスは,母語話者も見落としていた言語の事実を明らかにする上で,極めて有用な道具であるといえます。


2018/12/07

2018.12.7 龍谷大学講演会

龍谷大学 学修支援・教育開発センター自己応募研究プロジェクト中間報告会

テ ー マ:大学英語教育改革の現状―大規模国立大学の取り組みを例に
講 演 者:石川 慎一郎氏(神戸大学教授)
コーディネーター:工藤 和也(経済学部)
日 時: 12月 7日(金) 16:45 ~18:15
場 所: 深草 学舎 和顔館 2階 214 214教室
参加対象: 参加対象: 本学教職員(特任・非常勤 本学教職員 含む)


最近の大学英語教育改革の現状,神戸大学の英語教育の特徴・工夫等についてお話しました。学生時代の研究室の先輩(現在は龍谷大の教員になっておられます)が聴講にかけつけてくださり,恥ずかしくも嬉しい時間を過ごしました。

2018/12/04

2018.12.4 兵庫県立津名高等学校特別授業

兵庫県教育委員会のインスパイア―事業(大学教員が高校で指導する)の一環として,津名高校の生徒さんの英語プレゼンを拝聴し,指導講話を行いました。


津名には夏前にも訪問して指導しましたが,その時から大きく進歩しており,先生がたの指導の努力を思うとともに,発表者の皆さんの今後が期待されます。



講演では英語というより,思考力や調査力の重要性を指摘し,いくつかのワークショップを行いました。アンテナをぴんと張って,自分の身近な世界にひそむ問題を敏感にキャッチし,今の自分で利用可能なリソースをうまく組み合わせて具体的な解決を提案する・・・こうしたトレーニングは,知識や技能よりもはるかに大切なキーコンピテンシーの育成に不可欠だと考えます。講演後,担当の先生とは,「思考力開発キャンプ」のようなイベントが組めないか話しました。

津名にいくと,いつも,すばらしい風景を満喫できます。下記は,夕方,淡路島から本土側に戻ってきたところ。JR舞子駅前からの1枚です。



2018/11/29

2018.11.29 大阪大学マルチリンガルセンター講演会

大阪大学マルチリンガル教育センターFD講演会
2018年11月29日 (木) 15:00 から 17:00

第一部: 神戸大学の石川慎一郎先生による講演
「受信から発信へ:日本人英語学習者の課題をどう 乗り越えるか ― 国際学習者コーパス研究の最前線 ー」

 第二部:情報交換会
アカデミック・イングリッシュスキルの涵養を目指されている 神戸大学での英語教育の取り組みを、外部試験や必修単位 などのトピックを含めてざっくばらんにお話しいただきます。



阪大は,新しいセンターを立ち上げて,若い先生がたが大学英語教育の改革に精力的に取り組んでおられます。神戸大で新しいセンターを作ったころ(15年ほど前?)と同じような前向きな雰囲気に,大きな刺激をいただきました。


2018/11/26

2018.11.26 神戸大学附属小学校新英語カリキュラム開発会議

神戸大学附属小学校英語カリキュラム開発会議
2-18/11/26 1640-1900 @神戸大石川研究室

附属の先生6名が来室され,今後のカリキュラム・教材開発について議論を行いました。私からは,中学校1~2年の英語教科書をよく分析し,適切なタスクを開発することの重要性を述べました。また,小学校ではこれまで英語そのものを扱うことに及び腰な姿勢が見られますが,新課程(の高学年授業)では英語についてもある程度きちんととりあげていくことが必要になるでしょう。

石川サンプル(単元:世界のスポーツ(球技)を知る)

Aim
◎世界の球技を知り,共通点と相違点を理解しよう。
◎球技のやり方を英語で説明する方法を理解しよう。
◎日本の球技を世界のおともだちに紹介しよう。

Today’s Skit
Do you know chinlone? Chinlone is a Myanmarese ball game. In Myanmar, people learn how to play chinlone at schools. Players must continue to kick and hit the ball. They may use feet, shoulders, head, back, hips, and elbows. However, they may not use their hands. Do you want to play chinlone?

Words
(Nouns) chinlone, Myanmar, people
(Verbs) learn, play, continue, use
(Adjectives) Myanmanese
(Others)how, must, however

Pronunciation Clinic
chinlone [ts] 日本語の「チ」とどこが違うかな?

Expressions
・Do you know...? あなたは~を知っていますか?
  Do you know it? それを知っていますか?
  Do you know me? 僕のこと知っている?
  Do you know (about) Akashi? 明石って知っている?
・how to play chinlone チンロンのやり方
  how to do play kendama けん玉のやり方
  how to swim 泳ぎ方
  how to go to Tokyo 東京への行き方
・continue to kick けり続ける(go on kicking)
  continue to study 勉強をやり続ける
  continue to sing songs 歌を歌い続ける
・must continue 続けないといけない
  You must continue to study. 勉強を続けないといけない。
     You must continue to run. 走り続けないといけない。
・may use... ~を使ってもよい
   You may use a dictionary. 辞書を使ってもいいですよ。
   You may not use a smartphone at schools. 学校でスマホを使ってはダメです。
       May I go to the rest room now? 今トイレに行ってもいいですか?
       Do you want to play...? あなたは~をやりたいですか?
   Do you want to eat lunch now? お昼ご飯を食べたいですか?
   Do you want to play outside? 外で(校庭で)遊びたいですか?

Enjoy the conversation
A: Now you have to choose one from three: volleyball, handball, and soccer. Do you understand?
B: OK. Let’s begin.
A: You may use your XXX. You may use your YYY. But you may not use your ZZZ.
A: What sport do I talk about?
B: Volleyball!
A: That’s correct. Congratulation! / Sorry. That’s not correct. Try it again!

Let’s know about the world
1 Where is Myanmmar?
アジアの地図を見せて国の場所に色をつける

2 Listen to the teacher's talk and fill-out blanks.
ミャンマーの人口は約(   )万人。首都は(   )で,人々は(   )語を話している。( )や宝石の( )が取れることで知られる。


2018/11/22

2018.11.22 西宮市立北六甲小学校英語教育公開研究会

表記で講演を行いました。

演題 小学校中学年における英語指導の在り方~理念から固める~
講師 石川慎一郎(神戸大学教授)

講演では,授業を視察した後,改善のヒントについてお話しました。大変工夫されたすばらしい授業でしたが,タスクを工夫することでさらなる改善も可能だと思われます。

英語を多く使う,楽しいコミュニケーションを行う,といったことはもちろん大事ですが,小学校英語の実践では,それらに負けず劣らず,タスクがコミュニケーションとしてまっとうなものになっているかどうかが問われます。

たとえば,「数字を教える」という教師側のミッションがあり,「カレーを作るので八百屋に野菜をあわせて3個買いにいく」というタスクを考えるとします。工夫されたタスクと言えますが,いっぽうで,

1)そもそも(スーパーでなく)「八百屋」に行くという概念が今の小学生にリアルだろうか?
2)多くの店では野菜はパックにいつか入って売っており数を指定して買うということはリアルだろうか?
3)カレーを作るのに肉でなく野菜だけの買い物を行わせることはリアルだろうか?
4)そもそもなぜ英語で野菜を買いに行くのだろう?今はどこにいるのだろう?

というような素朴な疑問も残ります。これらの点が子どもの側で真の意味で腑に落ちていないと,コミュニケーションは,一気にトレーニングに転落します。

要は,数を使わせたいという授業の狙いと,採用したタスクが論理的に整合しているかどうかがポイントということになりそうです。

こちらの学校の実践は大変ハイレベルなので,年明けの次回訪問を今から楽しみにしています。


2018/11/20

2018.11.20 尼崎市立園田中学校公開研究授業講話

表記で英語の授業を視察し,新指導要領が重視するアクティブラーニングの観点から,講話を行いました。

当日は,動名詞の導入の授業で,担当の先生はよく工夫された授業を公開しておいででした。

下記は,様々な動詞のing形を生徒に板書させ,先生が解説しておられるところです。



たとえば,上記1つ取り上げても,なぜstudyの3単現はstudiesなのに動名詞はstudyingなのか,なぜrunは*runingでなくrunningなのか,など,生徒が素朴な疑問を持つポイントが多くあります。こうした小さな躓きを取り上げて議論のテーマとする,そうした形のアクティブラーニングも可能なのではないか,ということを講話では話しました。

そのほか,動名詞とto不定詞の違いなど,ちょっと立ち止まって考えさえたい「アクティブラーニングポイント」は授業の各所に潜んでいます。


ALの授業では,単にタスクを詰め込んで授業を盛り上げるということだけでなく,こうした生徒の小さい戸惑いや違和感をうまくとらえて,協働の学びの土台に乗せ,それによって集団全体の理解をしっかり深めるよう留意が必要です。ALは「遊ばせる指導」だという方がいますが,本来のAL,とくに,深いAL(Deep Active Learning:DAL)は,基礎学力を定着させる確かな方法論でもあります。

先生方の授業改善に,また,生徒さんの学びの質の向上に,何らかの形でお役に立てば幸いです。


2018/11/09

2018.11.9-10 2nd Women in TESOL Conferenceで研究発表(フィリピン,クラーク)

Women in TESOL 2nd Conference(フィリピン,クラーク)で研究発表を行いました。

発表題目:Do male students require and female students accept?
発表者:Shin'ichiro Ishikawa (Kobe University)



今回は,現在開発中のICNALE Spoken Dialogueの説得タスク(頑固なレストランの主人に返金を要求する)における発話者の性差の問題を扱いました。こうした比較では,性差とともに習熟度の差を検討する必要があります。

この分析では,男性の上級・中級・初級,女性の上級・中級・初級の語彙使用を調べ,6群に対して多変表解析を適用し,性別で分かれるのか,レベルで分かれるのかを観察しました。

その結果,性別で分かれることが証明され,非母語話者であっても,性差が説得場面での言語使用に本質的な影響を及ぼしている可能性が示されました。


ICNALEのSpoken Dialogueはさまざまなタスクが含まれているので,タスクごとに解析を行うことで,幅広いSLAの研究課題に対応した研究の実践が可能になります。



2018/11/03

2018.11.3 神戸大学附属小学校平成30年度研究発表会講話

下記に参加し,講話を行いました。

神戸大学附属小学校平成30年度研究発表会
研究課題:他者と対話的な関係を築き,「納得解」を創造する子ども(第2年次)
−「他者」「自己」「対象」との対話を視点にした授業づくり−
2018/11/3

石川は,同学校のグローバル科(一般校の外国語活動・外国語科に相当)のカリキュラム設計を行っており,当日は開発中の新カリの授業実践を視察し,講評を行いました。


当日の授業は「グローバル科」の小4生対象のもので,トピックに軸足を置き,世界の複数の地域を比較する「トピック&エリアスタディ」の実践として,世界の球技を取り上げた単元の一部でした。

子ども達は,一定量の英語を読み,話す活動を行うだけでなく,世界には自分が知らない球技が数多く存在することや,知らない球技を調べて英語で発表する活動を通して,英語力とグローバルキャリア人の基礎的能力を並行的に涵養していきます。

協議会(事後研)風景


課題はもちろんたくさん残っていますが,それでも,新しいカリキュラムが一定の形を見せ始め,児童に一定の影響を与えつつあることが確認でき,実り多い1日でした。

附属小のグローバル科の新カリキュラム構想に関する関連論文はこちら

・・・・・・
ちょうど,この前日に,学内で開催された「明治期の神戸と神戸大学展」を参観しました。そこでは,附属学校に関係する展示もありました。

備忘録として(※当日配布された資料より附属関係事項を抜粋)
1874(M7)10月:兵庫県師範伝習所が神戸元町に開所。
1877(M10)1月:兵庫県師範伝習所が神戸師範学校に改称。
1878(M11)4月:神戸師範学校附属小学校開校。
1886(M19)4月:師範学校令により神戸師範学校が兵庫県尋常師範学校に改組。
1898(M31)4月:師範教育令により兵庫県尋常師範学校が兵庫県師範学校に改称。御影に移転。
1900(M33)2月:兵庫県第二師範学校が姫路に設置。兵庫県師範学校が兵庫県第一師範学校と改称。
1901(M34)8月:兵庫県第一師範学校が兵庫県御影師範学校に,同第二師範学校が兵庫県姫路師範学校に改称。
1902(M35)2月:兵庫県明石女子師範学校が明石に設置。
1903(M36)3月:姫路師範学校附属小学校設置。
1904(M37)9月:兵庫県明石女子師範学校附属小学校・幼稚園が設置。
1912(T01)12月:兵庫県明石女子師範学校附属小学校及川平治主事による「分団式動的教育法」刊行。(参考

現在の神戸大学国際人間科学部(※旧教育学部→発達科学部),および,神戸大学大学教育推進機構(※旧教養部)のルーツは,M7設置の兵庫県師範伝習所です。約145年の歴史が流れています。

現在の附属小のルーツは1878年の神戸師範学校附属小学校ですが,明石地区での教育実践ということに限れば,直接のルーツは1903年の兵庫県姫路師範学校附属小学校となりそうです。当日は,明石女子師範に掲げられていた「六婦人の肖像画の屏風」が展示されていました。当時の女子師範では,教員志望の女子に対して,神功皇后(身重でありながら新羅に出兵して勝利)・滝鶴台夫人(赤と白の毬を用意し,善行すれば白い毬を,悪行すれば赤い毬を巻いて日々「振り返り」)・松下禅尼(障子の切り貼りで節約)・山内一豊夫人(夫の出世を支援)・紫式部楠木正行母(父を失ってショックの息子の自殺を阻止)の6名をロールモデルとしていたそうです。今の基準から見れば突っ込みどころが満載ですが,一つの時代の姿として。附属の「ふりかえり」は伝統(最近は神戸大学本体にも普及)なので,個人的には,滝鶴台夫人からの思わぬリンクに興味をそそられました。大学でも,振り返りを行わせるオンラインインタフェースに,白い毬と赤い毬を選ばせるようにしてはどうかな?


2018/10/26

2018.10.26 故森晴秀博士の文体研究紹介ポスター

神戸大時代の恩師である故森晴秀博士のご自宅を訪ね,10月20日の日本文体論学会大会で展示したポスターをご霊前にお供えさせていただきました。なお,奥様のご快諾を得て,先生のお書きになった過去の論文類を電子化し,近日中に,筆者のウェブサイト上で公開する予定です。



このところ,森先生から遺贈された膨大なメモやノート,先生の書かれた本を研究室で少しずつ読み直しています。すると,先生がすぐ横にいて,叱咤激励してくださっている気分になってきます。

人は消えても,書いたものは残り,それを誰かが読むことで,その人は何度でも蘇る― 古来,詩人が感じてきたことを私もまた強く感じています。

...
But thy eternal summer shall not fade,
Nor lose possession of that fair thou ow’st,
Nor shall death brag thou wand’rest in his shade,
When in eternal lines to Time thou grow’st.
     So long as men can breathe, or eyes can see,
     So long lives this, and this gives life to thee.
(William Shakespeare, Sonnet No. 18. "Shall I compare thee to a summer’s day?")





2018.10.26 大学院国際文化学研究科外国語教育コンテンツ論コース第4回集団指導

口頭発表の部で,2名のゼミ生が発表しました。

鄧 琪 M2
留学準備段階にある中国人日本語学習者のための外来語語彙学習シート開発の試行


隋詩霖 M2
日本語における「省略法」の指導教材の開発:広告教材の可能性



また,D2,D1,M1の3名はその後に開催されたポスターセッションで発表を行いました。第4回の集団指導が終われば,いよいよ,各自,博士基礎論文,修士論文の執筆に入ります。健闘を祈ります。


2018/10/25

2018.10.25 兵庫県立長田高等学校人文数理探究類型講演会

表記にお伺いし,1年生の皆さんに,これから行う「探究活動」の在り方や,良い研究の進め方について講演を行いました。

演題:「私たちの社会と研究:誰のため,何のための研究なのか」


当日は,研究の社会的意義をきちんと定義することや,自分自身の関心を社会的問題と接合することの重要性を指摘しました。

長田高校のすぐ近くで生まれ,23歳までそこに住んでいた私にとって,講演で長田高校に行くのは,いつも,ちょっとした感傷旅行でもあります。子供の時によく遊んだ公園,小学校時代によく行った店,昔の友達の家,そして高校時代に走り回ったグランド・・・・そうしたものをずいぶん時間がたって再度目にしながら,自分のルーツを再確認している気分になります。

なお,今回,高校へ向かう道すがら,長田神社に立ち寄り,長田神社が「メガネ」を祭っていることに初めて気付きました。



眼鏡をかけることで,「わが眼鏡に曇りはない」「わが眼鏡に間違いはない」と言い得るような境地に達したいものだ,ということだそうです。なるほど。しかし,上の彫刻はちょっとシュールです。

2018/10/24

2018.10.24 ゼミの短期訪問学生送別会

石川ゼミでは,昨年に引き続き,韓国の漢陽大学より大学院学生を短期受け入れしています。10月に来日され,1か月間,ゼミに参加された辛さんが帰国されることになり,神戸北野で送別会を実施しました。

神戸北野レストラン「アンクィール」にて

ゼミ一同,辛さんのますますの活躍を祈っています!

2018/10/23

2018.10.23 「神戸大学の研究最前線」での講義

昨年からお手伝いしている表記のオムニバス授業で講義を担当しました。この授業は,各研究科・部局から人が出て,各自の研究の最前線を語るというもの。。。

当日は,国際化が進む言語研究の雰囲気を味わってもらうため,資料・講義とも完全に英語化して実施しましたが,169名の学生さんは,皆さん熱心に聞いてくださり,楽しく話させていただきました。




2018/10/20

2018.10.20 日本文体論学会第114回大会および特別研究セッション「コーパスと文体論のインタフェース2018」開催について

更新日:2018/10/20

参会御礼(10/20)
おかげさまで多くのご参加があり,盛会裏に幕を閉じることができました。恩師である故・森晴秀博士が神戸大学で文体論学会をホストして以来,実に45年ぶりの神戸大学での大会でしたが,2本の講演,3本の口頭発表,11本のポスター発表により,文体論研究の新しい可能性とさらなる研究活性化の方向性が示された貴重な1日だったと存じます。役員各位,講師各位,発表者各位,また,ご参会の各位に深く御礼申し上げます。

理事会(午前)

会場風景

基調講演1(大阪大田畑先生)

ポスターセッション

ポスターセッション

ポスターセッション

会場からの神戸の遠景

基調講演2(京都教育大 中俣先生)

終了時には美しい夜景も

石川ゼミで「職場体験」中だった神戸大附属中等生も学会運営に参加しました

大会の裏方&発表を務めた石川ゼミ生(ご苦労様!)



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大会参加のお誘い

 神戸大石川研究室では,日本文体論学会第144回大会をホストし,あわせて,同学会と共催で,研究セッション「コーパスと文体論のインタフェース2018」を開催することとなりました。

 文体論は言語研究の幅広い分野に関わりますが,中でも,文学作品を初めとしたテキスト研究と言語教育研究は,今後,文体論の貢献がとくに期待される分野です。今回の大会では,前者に関して,Charles Dickensをはじめとする英文学作品の文体特徴をコーパス言語学や統計学を駆使して研究しておられる大阪大学の田畑智司先生を,後者に関して,コーパスを活用して日本語の特徴や日本語教育への応用を研究しておられる京都教育大学の中俣尚己先生を,それぞれ招聘講師とお招きします。伝統的な文体論研究に関心を持たれる方はもちろん,コーパスや言語科学を援用した新しい文体論研究に関心を持たれる皆さまのご参加を心よりお待ちしております。

 また,今回の大会では,会場校企画として,当研究室と学会の共催により,研究セッション「コーパスと文体論のインタフェース2018」を開催します。これは,大学院生の研究奨励と,文体論研究のすそ野の拡大を目的とした企画です。学会会員に限定せず,広く,文体論分野を研究している大学院生を対象に公募を行い,選考により,発表者を決定しました。当日は,12名の気鋭の研究者によるポスター発表が予定されています。

日本文体論学会第144回(秋季)大会概要

と き  2018年10月20日(土) 12:20-17:30 (理事会: 10:00)
ところ  神戸大学 百年記念館

プログラム
12:00 受 付 
12:20  開 会 総合司会 松久保 暁子(桜美林大学)
        開会のことば 代表理事 倉林 秀男(杏林大学)
        会場校挨拶 石川 慎一郎(神戸大学)

講演Ⅰ  12:30~13:30         司会: 石川 慎一郎(神戸大学)
田畑 智司(大阪大学)  計量的手法で探るイギリス小説の文体 

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大学院生ポスターセッション 13:40~14:40 
「コーパスと文体論のインターフェース2018」 ※一部変更が生じています(10/19)

ポスター発表
1. 鄧 琪 (神戸大学・院)外来語に着目した日本語ジャンル特徴を特定の試み:朝日新聞を例として
2. 木村 美紀(明治大学・院)時系列データ分析を用いたAlice Bradley Sheldon通時的な文体変化の量的検証
3. 松下 晶子(専修大学・院)脚本コーパスの構築と文体の変遷に関する分析
4. 中西 淳(神戸大学・院)言語環境を考慮した前置詞の計量的分析-英米差とジャンル差に注目して―
5. 杉山 真央(大阪大学・院)ロシア大統領のリーダー性:問題意識と責任表現の語彙使用による比較
6. 隋 詩霖(神戸大学・院)広告文体としての省略法:広告の日本語教材としての可能性
7. 土村 成美(大阪大学・院)Agatha Christieと同時代作家との文体比較
8. 王 思閎(神戸大学・院)国語科教科書に見るオノマトペ使用:文体とオノマトペ使用の関係
9. 肖 錦蓮(神戸大学・院)日本語学習者の文体の変化:自由作文における常体シフトの発生要因の解明
10. 張  晶鑫(神戸大学・院)文体装置としてのオノマトペ:レジスター・年代・性別によるオノマトペ使用度の差異
11. 辛恩慧(韓国 漢陽大学・院)コーパスに基づく形容詞の特殊コロケーション日韓比較研究-様々な文体における「赤い」と「빨간(パルガン)」を事例として―
・・・・・
12. 石川慎一郎(神戸大学)神戸大学における文体論研究:森晴秀博士の業績を辿る
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研究発表 14:50~16:20 (発表時間25分、質疑応答5分)

1) 池間 里代子(中国語:十文字学園女子大学)      
『紅楼夢』の畳語使用について-前80回と後40回の文体を中心に-
司会:本間 直人(日本大学・非)

2) 友繁 有輝(英語:大阪大学大学院・院)
G.W.ブッシュの一般教書演説(2001~2008)における戦争フレームの分析
司会:石川 有香(名古屋工業大学)

3) 星野 祐子(日本語:十文字学園女子大学)
「食」の専門誌『食道楽』における広告の文体 -明治後期と昭和初期における広告を対象に-
司会:高崎 みどり(お茶の水女子大学名誉教授)

講演Ⅱ 16:30~17:30           司会:石川 慎一郎(神戸大学)
中俣 尚己(京都教育大学) 日本語学習者を悩ませる文体の問題

17:30        閉会の言葉       村井 幹子(元カリタス短期大学)


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下記の募集は終了しました。

神戸大学石川慎一郎研究室主催・日本文体論学会共催
研究セッション「コーパスと文体論のインタフェース2018」発表募集


神戸大学石川慎一郎研究室では,日本文体論学会と共催で,研究セッション「コーパスと文体論のインタフェース2018」を開催します。

〇日時: 2018年10月20日(土)午後
〇会場: 神戸大学

(発表公募要領)
〇申込資格: 発表日において大学院に在籍していること(研究生,特別研究生等も含む)
〇発表テーマ:コーパスを用いた各種テキストの文体に関わる研究(テーマに関連したものであれば,言語種別は不問です。また,言語学系・文学系・教育学系・心理系など,分野も不問です。)
〇発表形態:ポスター(A0ポスターを各自で作成・持参して発表いただきます)
〇論文集刊行:神戸大学石川研究室で刊行する研究誌Learner Corpus Studies in Asia and the World (LCSAW)(オンライン版)の特別号に投稿いただけます(審査有)。
〇応募期限:終了しました。


2018/10/15

2018.10.15 神戸大学附属中等教育学校「KUトライやる(インターンシップ)」受け入れ


附属学校生徒(4年生=高校1年生)7名を職場体験として研究室に受け入れました。

実施前の予定は以下のようなものでした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
大学教員の仕事はA:研究,B:教育,C:管理運営業務の3つに分けられます。
今回のインターンシップでは,Aについては,受け入れ教員が主宰する大学院ゼミなどに参加し,院生とともに言語研究の一端を体験します。
Bについては,神戸大学の英語の授業を視察していただき,大学生と交流するほか,資料作成などの業務を行っていただきます。
Cについては,各種の書類作成業務などを体験していただきます。
インターンシップを通じて,外部からは見えにくい「大学教員」や「研究者」の仕事の概要を知っていただければと思います。
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ただ,来学された時期に石川の学外講演や学会ホスト等があったので,予定を変更し,具体的に以下の活動をしていただきました(画像はすべて匿名化加工済み)

10/15(月)神戸大学の学部生向け英語授業(3時間目)および大学院生向け言語統計の授業(4時間目)に参加

10/20(土)神戸大学で開催された日本文体論学会の会場準備・受付・発表聴講体験

10/22(月)神戸大学の英語小テストの採点体験

10/25(木)石川が兵庫県立長田高校で行った講演(探究活動入門)の聴講と長田生とのジョイントディスカッションへの参加



私自身を振り返ると,小学生のころから,なんとなく将来は教師になるものだと思っていました(必ずしも大学教員というわけではなかったですが)。参加した高校生に将来の夢を聞くと,まだほとんど白紙とのこと。今回の体験が彼らの職業選択に何らかの良い影響を与えたとすれば嬉しく思います。



2018/10/13

2018.10.13 JACET関西支部役員会(同志社大学)参加

表記に参加しました。

今回の役員会の審議により,2020年度の国際大会の会場校が正式に同志社大学に決定しました。関西支部がホストする国際大会は前々回が関西外大,前回が京大でしたので,2回続けての京都開催となります。地域の重なりはあるものの,海外ゲストには京都は喜ばれるでしょう。国際大会の成功に向けてこれから準備を加速させていく必要があります。

2018/10/05

2018.10.5-7 英語コーパス学会参加

英語コーパス学会の役員会および大会に参加しました。

特に印象的だった講演・発表等

ワークショップ 1【言語研究のための Word2Vec 入門】
講師:内田 諭(九州大学)
★Word2Vecの面白さを学ばせていただきました。ただ,講師もおっしゃっていたように,そのような結果が出てくる過程がブラックボックスという点をふまえると,学術研究の手法となりうるのかどうかは今後学界全体で考えていく必要がありそうです。

ワークショップ 2【コーパス研究の作法】
日時:10 月 6 日(土)11:00–12:00
講師:井上 永幸(広島大学)
★コーパスで高頻度ものを用例として辞書に取り込むべき,というのはよく聞くことですが,講師によれば,「アイスピック」の用例の大部分は殺人や傷害関係であるとのこと。単純な頻度万能主義の危険性に警鐘をならした素晴らしいご講演でした。

研究発表 3「英語学習者コーパス構築のためのタスク設計:特定の文法項目抽出に向けて」
発表者:工藤 洋路(玉川大学)・内田 諭(九州大学)
★単に**というテーマで作文しなさい,と言うと,こちらが分析したい文法項目が含まれないこともめずらしくありません。本発表では,いくつかのインストラクション(指示文のみ提示,詳細指示文のみ提示,指示文+モデル文提示)で作文を行わせた結果,指示文を詳しくしたり,モデル文を見せることで狙った文法項目が出現しやすくなるという実験結果が報告されました。できるだけ自然な自由作文を集めようとする,一般的な学習者コーパスの構築思想とは異なりますが,中高現場等で,文法指導の改善資料としての「コーパス」を作る上では貴重な知見と言えます。

2018/10/04

2018.10.4 鳥取県立倉吉東高校講演(英語科教育指導力向上事業)

表記で講演を行いました。同校への訪問は2回目になります。
講演では,新入試をめぐる現状を整理し,今後の高校英語指導に求められる要素についてお話させていただきました。

演題:新試験と新英語力観~高校現場への影響と望まれる対応~


また,公開授業を参観し,講話を行いました。EMI(英語を使った指導)の要素を組み込んだ,大変工夫された授業で,感銘を受けました。講話では,深い読み・正確な読みの実践についてお話させていただきました。




2018/09/29

2018.9.29 計量国語学会出席

計量国語学会第61回大会に参加しました

計量国語学会第61回大会
2018年9月29日【土】10:30~ 17:40
京都教育大学


どの研究も示唆的でしたが,森氏の「コーパス分析における生態的誤謬」にはとくに考えさせられました。コーパスではジャンル単位で分析を行うことが多いですが,仮にテキスト単位で再分析をすると,ジャンルで見られた傾向が再現されないことがある点を発表者は指摘しておられました。「確かに」と納得するとともに,データの抽象化・匿名化・概括化を志向するコーパス研究と,個別的なテキスト分析をどう有機的に組み込むべきなのか,個別テキストの独自性の主張は,最終的にコーパス分析の価値の否定につながるのではないか,等,多くの考えるべき宿題をいただいた気分です。

「生態的誤謬」とは,ecological fallacyの訳語で,全体で当てはまることが個別的な部分に適合しない現象を言います。たとえば,地域比較をして言えたことが(例:関東人は・・・関西人は・・・),それぞれの地域に住む個人単位で見てみると再現されない,といった現象です。いわゆる「合成の誤謬」と似た概念と言えるかもしれません。研究では,「背景因子があまりにも違いすぎる集団を平均値で比べる時には、Ecological fallacy (生態学的誤謬)に陥ることがある為、注意が必要」とされます(阪大医学研究科サイトより)。

「生態的誤謬」はSimpson's paradoxとも呼ばれます。これについては進化生物学のOnigiritani (id:lambtani)氏による解説(サイト)が参考になります。サイトに掲載されている事例(大学の男女比)をごく単純化すると,以下のようなことになりそうです。

最近,医大が男子学生を優遇しているという話がありましたが,いま,ある総合大学の女子学生比率が23%だったとします。この大学もずいぶん男性優先的?女性差別的?大学に見えます。

しかし,大学の内訳が以下のようだったらどうでしょう?

工学部(定員800人,女子10%)
文学部(定員100人,女子70%)
家政学部(定員50人,女子80%)
看護学部(定員50人,女子80%)

たしかに,大学全体の女子比率は(80+70+40+40)/1000≒23%となりますが,実は,定員の多い工学部に男子が多いというだけで,ほかの3つの学部ではむしろ女子に極端に偏っています。大学が全体として女性差別をしているとは言うのは不適切でしょう。このとき,大学全体で見れば「女性差別」ですが,学部単位で見れば「女性優遇」であるという矛盾した結果になり,これも生態的誤謬の亜種と言えます。

コーパス言語学者もこうした問題を考える必要があると,認識を新たにした1日でした。

会場風景







2018/09/21

2018.9.21 尼崎市立日新中学校アクティブラーニング教員研修会での講話

9月は尼崎の中学校での講演が3件ありましたが,日新が3校目となります。

講師:石川慎一郎
演題:DALで変わる授業と変わらない授業

今回は,美術(色のイメージを考えて作品を作る),家庭科(健康的な夕食メニューを考える),保体科(50メートル走のタイムを向上させる)という3つの実技系科目を視察し,それぞれにアクティブラーニングの観点からの講話を行いました。

講演では,とくに実技系科目でのアクティブラーニングの導入の必要性について主張を行いました。


実技系科目では,教師は,授業時間の中でできるだけ生徒に運動させたい(歌わせたい,絵をかかせたい,調理実習させたい,実験させたい・・・)という気持ちを持ちます。これはこれで大切なことです。しかし,そこだけに偏ってしまうと,体は動いているが頭は動いていない,ということが起こりがちです。体を動かす授業と,頭を動かす授業,このベストミックスが,子どもの思考力の深化と学力向上に不可欠であると言えるでしょう。


2018/09/20

2018.9.20 尼崎市立小田北中学校アクティブラーニング教員研修会での講話

表記で理科の授業視察と講話を行いました。

講師 石川慎一郎(神戸大教授)
演題 「思考を活性化するDAL型授業―実験より大事なこと―」

中学校や高校を回っていると,「体育や理科の授業は,アクティブラーニングをやりやすくていいね」とおっしゃる先生がいますが,実際のところ,これらの科目は,表層的なアクティブ(体のアクティブ,見かけのアクティブ)にはなっていても,深層的なアクティブ(対話的で深い思考と学び)になっていない場合が少なくありません。

そうした中で,今回の理科の授業は,実験ではなく,あえて実験の前の授業を取り上げて,自分自身で実験手法をシミュレートさせるというきわめて意欲的なものでした。生徒さんの討議も盛り上がり,深いアクティブラーニングへの確かな近接が認められました。尼崎の学校に入り始めて3年目になりますが,このような授業が増えてきたことを嬉しくも頼もしく感じました。

過去の指導の記録
(1) 2017/6/30  AL入門。キーコンピタンシー。 MARCH。+数学(さっさ立て)授業講話
(2) 2017/11/14  新井(2017)調査。ALの原則。+国語(故事成語),保体(サッカー)授業講話
(3) 2018/2/13  ALによる道徳授業。ALと科目の相性。思考のふり幅。+学年別授業(認知症のおばあちゃん,19から大事なもの選ぶ,スピード違反を定期発されて臨終に立ち会えず)への講話
(4) 2018/7/31 ALを導入する必然性。+数学(平方根),理科(水源)授業講話
(5) 2018/9/20  ALとDAL +理科(気体同定)授業講話

講話では,生徒に与える問いをさらにピンポイントに絞ることで,思考を深化させる可能性について提案を行いました。

たとえば,気体の同定実験の場合,あまり制約を設けず,どんな手法の組み合わせがよいでしょう,とやると,範囲が広すぎてなかなか思考が深まりません。一方,主な同定手法を比較させ,ベストなものを選ぶ,というようなタスクであれば,思考の方向性は1つにまとまり,班での議論を深めてくことが容易になります。



アクティブの授業では,生徒の自立性を大事にしつつも,学習の実をあげるために,教師による介入・援助をどの程度入れていくか,その微妙な匙加減が悩ましいポイントです。