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2017/06/15

2017.6.15 麗澤大学学習者コーパス研究会参加

表記の研究会に参加しました。

Reitaku University Linguistic Research Center (LinC) Workshop
"Theory and Practice in Learner Corpora Studies"

Date: 15:00-16:30, June 15. 2017
Venue: Seminar Room 1a (2nd Floor, Lifelong Education Plaza Building (生涯教育プラザ棟), Reitaku University)

Program:
Andrew N. Struc (Associate Professor, Reitaku University) "Learner Corpus Studies Investigating Crosslinguistic Transfer of Loanwords"

Dr. Jarmo H. Jantunen (Professor, University of Jyväskylä, Finland) "ICLFI Corpus and Annotation of Morphologically Rich Learner Language"

Shoju Chiba (Professor, Reitaku University) "Developing a Learner Corpus of Japanese Learners of Finnish: a Prospectus"

Struc先生は,麗澤大学で構築している日本人学生の英作文コーパス(descriptive+argumentative。一部,同一学生の経年データを含む)を用い,外来語となっている英単語の使用状況を調べた結果,スペルミス(*conbinience)や用法ミス(*go to shopping)が多かったというご報告でした。

Jantunen先生は,フィンランド語学習者による様々なテキストタイプの作文を集めたICLFIを分析し,キーワード,キータグなどを調べ,とくに習熟度マーカーとなるものを探した結果を報告されました。初級者は名詞や動詞基本形の多用によって,上級者は所有格や受動態の使用によって特徴づけられるという結果は英語学習者の場合とも同等で教務深くうかがいました。また,キーワードを,1)トピック関連キーワード,2)ジャンル関連キーワード,3)学習者作文キーワードに区分する立場を示しておられましたが,これは参考になる枠組みです。

Chiba先生は日本人のフィンランド語学習者作文(50本程度)を集め,4段階の言語学的なタグ(morphological/ syntactic/ pragmatic/ semantic)を付与するプロジェクトについて報告されました。small but richは,学習者コーパスが目指すべき1つの方向であり,大変興味深く伺った次第です。


石川研究室で構築中のICNALEとの関係で言うと,エラータグのフレームワークの立て方,スペルミスのコーディング,言語学的な解析情報付与などの点で参考になる部分が多い研究会でした。