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2016/08/31

2016.8.31 本年度分科研データの収集完了

今年度の科研(萌芽)では,取集済みのアジア人学習者作文に対して,専門家によるプルーフをかけたデータの収集を行っています。先行して集めた日本・中国モジュールに加え,韓国,台湾,タイなどのデータの収集がひと段落しました。

今年度の残り期間では,集めたデータの加工と公開準備を行い,あわせて,オリジナル作文と修訂作文の質的・量的比較の分析作業を進める予定です。

本年度は,約400本の作文に修訂を施し,かつ,個々の作文について5観点の評価データを取得しています。


評点データの一部


今回開発しているICNALE-Proofreadのデータを使い,今後,

1)評点データの安定性検証
2)有効なルーブリック観点の抽出
3)ルーブリックの簡素化可能性の検証
4)ルーブリックと校閲の評価法としての長所・短所の比較
5)評点と校閲に基づく作文のクラスタリング

などを詳しく見ていく予定です。

2016.8.31 名古屋工業大学石川有香科研シンポジウム

表記で司会を担当いたしました。

名古屋工業大学石川有香科研第 1 回公開研究会 工学英語語彙指導:何を教えるか、どう教えるか、どう評価するか

 日 時:2016 年 8 月 31 日(水) 14 時 30 分―18 時 00 分

会 場:ヒューリック札幌ビル 5階 カンファレンスルーム 5C(札幌市営南北線 さっぽろ駅 9 番出口 直結) 〒060-0003 北海道札幌市中央区北3条西3丁目1−44 電話: 011-252-3165

1400 開場 司会 石川 慎一郎(神戸大)

1425-1430 開会あいさつ 石川 有香(名古屋工業大)

1430-1500 大学院生の発表を収集したコーパスの作成と利用 ハグリー エリック(室蘭工業大)

1500-1530 英語教育用語彙表における動詞の扱いについて 園田 勝英(北海道大)

1540-1610 工学系の学生が楽しんで受ける語彙テストを目指して 磯 達夫(東京電機大)

1610-1640 工学系クラスでの英語の語彙指導の実践 相澤 一美(東京電機大)

1650-1720 科研プロジェクト概要紹介 石川有香(名古屋工業大)・伊東田恵(豊田工業大)

1720-1800 総括ディスカッション

※本研究会は、H28-30 科学研究費補助金基盤研究 B「工学英語語彙の自律学習・共通評価システム J-ENG2 の構築」 プロジェクト(研究代表:石川有香)の一環として行われます。



2016/08/29

2016.8.29-30 統計数理研究所言語系共同研究グループ夏季合同研究発表会

統計数理研究所言語系共同研究グループ夏季合同研究発表会
会場:神戸大学六甲台第1キャンパス プレゼンテーションホール

表記の研究会をホストし,あわせて,ゼミ生とともに発表いたしました。


プログラムはこちら

ゼミメンバーの発表
石川慎一郎 3つの作⽂評価法:ばらつきが⼩さく精度が⾼いのは どれか
中西淳(M) 作⽂中の前置詞頻度に着⽬した学習者の学年・英語総 合⼒・英語圏滞在期間の推定:単回帰分析と重回帰分 析を⽤いて
張 晶鑫(D) 段階的変化を含意する「だんだん」及びその類義語の 意味機能の解明ー現代⽇本語コーパス分析に基づいて
前浜知味(M) 中⾼⽣のための教育的句動詞リストの開発: 統計⼿法 を⽤いた共起語分類と意味記述の提案
栁素子(D) 中国語の可能表現の諸相: 能/能够の差異の解明につ いて




石川の発表概要:
L2作⽂の評価に関して,(1)5名の評者がルーブリックに基づいて直接評価した場合,(2)5⼈の校閲者が校閲 を⾏い,加えられた校訂の量を評価した場合,(3)5つの⺟語話者作⽂を⽤意し,それらと⽐較して語彙頻度の逸 脱度(特徴度)を計量した場合において,評価者間のばらつきが⼩さく,被評価データ間のばらつきが⼤きくなるも のがどれかを検討する。データとして,現在発表者が開発中のICNALE-ProofreadのCalibrationデータセットを使⽤ する。


アドバイザーの統計数理研究所前田忠彦教授には,今回も個々の発表について大変丁寧なご指導をいただきました。



2016/08/24

2016.8.24 アジアフルートコングレス2016神戸大会 通訳

神戸市で開かれた表記の文化イベントに,レジストレーション付き通訳として協力しました。




これまでにも,芸術系・スポーツ系問わず,地元神戸で開催される様々なイベントで通訳を担当しています。コンクールを控えた海外の若手演奏家とお話しする機会もあり,今回も,有意義な経験となりました。将来はゼミ学生などもつれて参加したいと考えています。

2016/08/21

2016.8.21 全国英語教育学会(JASELE)埼玉研究大会


学会2日目,以下の内容で研究発表を行いました。



Shin'ichiro ISHIKAWA
Grammatical and Contextual Correctness in L2 Writing:  An Analysis of the ICNALE-Proofread,  A Newly Designed Parallel Corpus Including Learners’ Original and Edited Essays

発表では,現在,科研(萌芽)で作成している校閲コーパスを紹介しました。

校閲コーパスは,職業的校閲者による校閲データと,同じ校閲者が行った主観的評点データを含むもので,これを分析することで,各国の学生の作文がどう修正され,また,複数の観点においてどのように評価されるのかがわかります。

データにより,たとえば,評価が高く修正も少ない作文(=理想的作文)評価は高いが修正が多い作文,評価は低いが修正の少ない作文・・・などがわかります。今後,当プロジェクトでは,作文の「良さ」の再考をテーマにさらに研究を進めていきたいと考えております。

下記は,日本人大学生と中国人大学生の作文に対する5観点評点の統合指標値(単純平均,加重平均,主成分得点)を比較した結果です。日本人のほうが2割ほど低くなっています。




 

2016/08/18

2016.8.17-18 鳥取県高校英語プレゼンテーション研修

教育委員会が県内の高校生を集めて実施する特別研修の講師を担当しました。

鳥取県教育委員会主催 鳥取県高校英語プレゼンテーション研修

1 目 的
高校生に英語プレゼンテーションについての研修合宿を行い、生徒の英語学習への意欲を喚起するとともに、生徒の思考力・判断力・表現力を育み、地域及び国際的な視野と発信力をもつ人材を育成する。

2 内 容
ロジカルプレゼンテーションの手法を学び、実際にプレゼンテーションを作成して中間発表会を行う。さらに、講師の講評を参考に、ファイナルプレゼンテーションを作成して発表する。
※ 自分の学校の抱える問題を1つ選び,それを確実に解決しうる具体的で独自性の高いあなただけのユニークなアイデアを示し,説得力ある英語で3分間の発表を行う。

3 講 師
神戸大学 大学教育推進機構 国際コミュニケーションセンター
教授 石川 慎一郎 氏

4 期 間
平成28年8月17日(水)~8月18日(木)(1泊2日)

5 会 場
大山青年の家
〒689-3319 西伯郡大山町赤松明間原312番地1


プレゼンのテーマについては,様々な高校での実践をふまえ,高校生が自分の問題としてとらえやすい「私の学校の問題とその解決法」としました。2日間の指導内容はおよそ以下の通りです。

Day 1
1時~2時 講義:ロジカルプレゼンテーション入門 
2時~3時 日本語スクリプト作成
3時~4時 日本語スクリプト作成
4時~5時 日本語スクリプト作成

Day 2
9時~10時 英語原稿個別チェック
10~11時 同上
11~12時 英語発表法指導・個人発表指導
13~14時 最終発表会

最終的には,全員素晴らしい発表を仕上げてくれました。1泊2日という限られた時間で大きな成長を遂げられた鳥取の高校生のみなさんに敬意を表します。


名峰「大山」 (宿泊先ホテルより)

会場になった「大山青年の家」」

授業風景

最終発表を前に:壁に向かって何度も原稿を読んで頭に入れる


大勢の聴衆(県内中高生,ALT)の前で立派に英語による意見提案をやり遂げた!


心に残る黒板アート(教育委員会の皆さま,ありがとうございました)





2016/08/05

2016.08.05 名古屋工業大学・豊田工業大学英語プレゼンテーションコンテスト


表記イベントに審査員・講話者として参加しました。



2016 名工大石川有香研究室&豊工大伊東田恵研究室
合同英語プレゼンテーション発表会参加者


日 時:2016年8月5日(金)10時00分―12時00分
場 所:名古屋工業大学4号館 ホール

1. (情報工学科) “Data mining for medical information”
2. (情報工学科) “Mobile wireless sensor network”
3. (電気電子工学科)” New technology to support people”
4. (情報工学科) “Importance of security system”
5. (情報工学科) “Speech recognition changes our society”
6. (生命物質工学科) “Synthetic Organic Chemistry”
7. (電気電子工学科) “Technology to detect radiation”
8. (情報工学科) “Multiagent system”
9. (情報工学科) “Voice recognition for crime prevention”
10.(電気電子工学科)“Superconductivity changes your life”
11.(機械工学科)
12. (博士前期課程2年) “Advantages to go abroad”

講話と講評  石川慎一郎(神戸大学)

大学生が,高校生を想定聴衆として,自分たちが行っている最先端の工学研究の内容を英語で説明する,というチャレンジングな企画で,大いに楽しませていただきました。

講話では,学生さんの実際の発表内容を素材に使いながら,良い研究・良い研究発表のコツとして,

1)因果を明確にし,因果距離を短くする
2)物の良さは比較で説明する
3)負の面にも言及する
4)内容を精選する

といった点をお話しさせていただきました。次代の日本の工学研究を支える若き学生の皆さんの今後の研究のお役に立てばうれしいです。





2016/08/04

2016.08.04 大阪大学「教員のための英語リフレッシュ講座」


表記の講座で,1コマ分,講演を担当しました。





タイトルは,「コーパス分析に基づく新しい語彙指導とライティング指導の展開」。昨年度に引き続き,2回目の出講です。昨年度は語彙選定・語彙指導のお話をしたので,今年度はライティング指導に絞ってお話しさせていただきました。








講演では,「良い作文をどう定義するか」という問いを立て,既存のルーブリック,習熟度テスト,シラバス,コンテスト,コーパスなどからそれぞれ操作的に概念定義を行う可能性について述べました。